バリの借家では借りた人が家のメンテナンスをします。私の家は借りて10年になります。犬が出ないようにと塀を作ったり、安全の為に門を作ったり、家の塗装をしたりとテナントの仕事が多々あるのです。そのかわり自分の好きなように改装もで来ますし、庭も造れます。ここ10年で少しずつ家もよくなって行きます。最近は庭を造るのが楽しみで色んな木を植えたり、花を植えています。特に果物の木が多く、自分で食べたアボカドの種を大きくして庭に植えたものが、何本かあり10メートルに達する大木になりました。食べたグレープフルーツの種で育てた木、パパイヤなどなど、特にバナナはよく育ち美味しい種類の違ったものを10本くらい植えています。庭のバナナが大きく育ち、花をつけて果実へと変化していく様子を楽しんでいます。毎日房が顔を出す様は喜びに近い感動があります。写真のバナナはピサンヒジョウと言う種類で緑バナナです。しかし甘くて美味しいバナナです。一見グリーンの色なので熟れていないように見えますが美味しいバナナです。バナナは沢山の種類があって、フライにするもの、粒のある豚の餌になるもの、小さいモンキーバナナから、ミルクバナナと豊富な種類があるのです。バナナは実がついて収穫するとその木は終わります。一回きりの収穫です。幹は皮をむいて豚の餌にします。同じ根っこからは新たな木が育ってきます。一房に60本くらいのバナナがつき、食べるのも大変、ジュースにしたりバナナパンケーキにしたり、オーブンがないのでケーキは焼けませんが、バナナケーキも美味しいです。そして近所の人や村の人と分け合って、バリの人はお供え物にも使うので喜ばれます。犬の糞と落ち葉を焼いたあとの灰が肥料となってよく育つのです。私の家の周りにはドリアンの木やジャックフルーツの木やココナツヤシがあって、よく突然 ” ドスーン ”と言う地響きのする音で落ちて来ます。バリはフルーツの種類が豊富で新鮮な果実を味わえます。
私は花の中でも蓮が好きでよく蓮の絵を描きます。庭には4鉢の蓮があり、違った種類の蓮を植えています。蓮池があるともっと自然な雰囲気で蓮を楽しめるのですが、鉢植えもなかなかいいものです。バリは年中、蚊が繁殖しますので、鉢の中にはメダカと小さなナマズを入れています。ボウフラを食べてくれるので、蚊の繁殖を防げるのです。ナマズは鉢の中の水をきれいにしてくれます。蓮のつぼみが出来ると毎朝楽しみに成長を見守っています。徐々に膨らんで来る生命の力、もう明日には咲くと言う時は気になってついつい早起きをして見に行くのです。蓮の花は大きくて存在感があります。ジャスミンの木も植えていますが、小さくて一日で散ってしまいます。夜香樹と言う夜になると甘い香りを放つ木は好きですがこれも一日だけの開花です。他に毎日朝咲いて夜には散る黄色い花、部屋には生け花として飾れない一日花、庭でしか楽しめない花があるのです。バリでは蘭とブーゲンビリアの継ぎ木がポピュラーです。ピンク、オレンジ、白の花の枝を継ぎ木して、色んな色のブーゲンビリアの鉢植えが売られています。派手でいかにもバリ人が好むチャンプール感覚なのです。
この蓮は真っ白で中が複雑な機械のような弁が沢山入っていて、香りもあり、蜂や小さな虫が沢山よってきます。花弁よりも中のメシベが脳のひだのようにひしめきあって、咲く期間も短くアッと言う間に散ってしまうのです。1センチほどの小さなつぼみがどんどん大きくなって蓮の形を見せるのは楽しみであり驚きでもあります。そろそろ古希を迎える私はまさに庭いじりの毎日を楽しんでいるのです。朝起きて犬の糞の始末から始まって枯れた落ち葉を一枚一枚手で拾う、これもからだの屈伸と膝の屈伸運動なのです。また草むしりも手で一草一草抜いていきます。そしてホースで水をやる毎朝の日課なのです。朝は6時には起きて庭のメンテナンスを終えてコーヒーを入れて庭で飲む、それから毎日が始まるのです。早起きで朝に一仕事すると、一日中庭の眺めがきれいになって、エネルギーも気も新鮮な毎日を過ごせます。”早起きは三文の得 ”と言ってわずかな得ですが私にとっては十分な得をした感があります。新鮮な空気の中で庭で ”丹田呼吸 ”をして庭作業これが私を元気にしてくれているのかもしれません。我が家の植物、動物に感謝です。生命力を感じさせてくれ、私にまでそれを与えてくれます。ありがたいことです。
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