<雨宿り>
バリは雨期に入り、毎日のように雨が降ります。シトシトと音も無く降る雨や、バケツをひっくり返したような雨、夕立は雨雲の行方を見極めないと、顔に当たると痛い土砂降りになり、バイクに乗っていると、前方が完全に見えなくなってしまいます。当然雨宿りをしなければならず、近くの軒下を借りる事になります。こんな雨の時は道を横断するだけで、ビショ濡れになってしまいます。バリの人達もバイクを止めて雨宿りをする訳ですが、雨ガッパを着たまま雨宿りしなければならないと言う不思議な光景が見られます。雨期の雨はまだ温かいのですが、乾季の雨は冷たく、体温が一気に下がります。ブルブル震えながら雨宿りをするのです。
そのダイナミックな雨は、ある意味で気持ちがいい時もあります。そして雷や雷光が空を走るのをまるで花火を眺めるかのように、見入ってしまいます。文明国では地下道や、公共交通機関が発達しているので、雨宿りする事なく目的地に行くことが出来ますが、自然のご機嫌に合わせて生きて行かなければならないバリでは、イニシャティブは自然が持っています。バリ人の「成り行き人生」はこの自然について行く生活から育まれたものでしょう。また、雨宿りは社交的な場所でもあり、やむのを待っている間に、みんなでいろんな話しをしています。私などは、「どこから来たの?」とか「どこに住んでいるのか?」「バリで何をしてる?」とかの質問がちょっちゅう飛んできます。外国人があまり雨宿りをしないからでもあるのですが、又、バリは儀式がしょっちゅうあり、行列してお寺まで行く場合も雨に降られても、ガムランバンドは演奏をしながら、人はみんな濡れても淡々と行進を続けます。
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